今年のお気に入り小説10冊
音楽に続いて、今年読んだ中でお気に入りの小説を10冊選んでみました。
あくまで「今年読んだ小説」ということで、2008年刊行以外も含んでいます。
それでは著者名順にササッとご紹介。
綾辻行人 / 時計館の殺人

Amazon.co.jp: 時計館の殺人 (講談社文庫): 綾辻 行人: 本
綾辻氏の作品を読んだことなかったので、今年は手始めに『館シリーズ』を読もうと決意(「暗黒館」「びっくり館」が未読です)。各作品ごとに個性があってどれも好きなんですが、あえて1冊選ぶなら『時計館の殺人』ですね。『十角館の殺人』も捨てがたいけど。。やはりこのトリックは秀逸!
石持浅海 / 温かな手

石持氏の作品は大好きですね。今年(2007/12刊行含む)は新作が5冊も読めてかなり嬉しかった。それらの中から1冊選ぶならこの『温かな手』ですかね。個人的に氏の作品は長編よりも短編・連作集に魅力を感じてて、その意味で『賢者の贈り物』も良いのですが、作品のラストの余韻でこちらを選びました。余談ですが、某奇妙な冒険が好きな方は石持氏の『ガーディアン』(の中の特に後半の章)にはニヤリとさせられるかもしれません。
乾くるみ / イニシエーション・ラブ

Amazon.co.jp: イニシエーション・ラブ (文春文庫): 乾 くるみ: 本
「必ず二回読みたくなる」と評判のミステリ。ホントに?と思って手に取ってみましたが、ホントに二回読んでしまいました。一見、ただの若者の(どちらかと言えば退屈な)恋愛小説と思いきや、最後の最後にどんでん返し。やられましたね。余談ですが、この本を友人に貸したら、読んでる途中から何度も再読し始めたそうです。できることなら、一度最後まで読んでから再読した方が面白いんじゃないかなと。
津原泰水 / 蘆屋家の崩壊

Amazon.co.jp: 蘆屋家の崩壊 (集英社文庫): 津原 泰水: 本
フリーターの「俺」と小説家の「伯爵」が出会う、幻想怪奇な出来事を描いた短編集。日常が突如として奇怪なものに変わる様子にゾクゾクする。ホラーでも怪談でもない、だけど読後にゾッとする、そんな体験してみたい方にオススメ。続編に『ピカルディの薔薇』があります。
西澤保彦 / 解体諸因

Amazon.co.jp: 解体諸因 (講談社文庫): 西澤 保彦: 本
西澤氏のデビュー作(でいいのかな?)。もともと氏の作品も色々と読んでみたいと思っていたので、今年は何冊か読んでみて、1冊選ぶならこの作品かなと。本作は全ての殺人がバラバラ殺人という個性的な短編集で、注目すべきは「どうやってバラバラにしたか」よりも「何故バラバラにしたのか」のWhydunit?の方ですね。凝りに凝った展開が楽しめました。
牧薩次 / 完全恋愛

『他者にその存在さえ知られない罪を完全犯罪と呼ぶ。では、他者にその存在さえ知られない恋は完全恋愛と呼ばれるべきか?』というコピーが気になって購入した作品。実はある大御所作家さん(私は存じ上げてませんでした。。)の別名儀作品。ある画家と、その画家が生涯愛した女性とのストーリーを主軸に、3つの殺人事件が語られていきますが、なんといってもタイトル『完全恋愛』の意味が分かったときの驚きと感動。。今年の私的小説TOP3に入れたい作品ですね。
道尾秀介 / ラットマン

毎度毎度、この著者にはだまされますね。『シャドウ』や『向日葵の咲かない夏』で耐性をつけたと思っていても、あっさりきれいに煙に巻かれてしまいます。。だが、それがいい。同著者による『カラスの親指』もいい感じにだましてくれますよ。
三津田信三 / 山魔の如き嗤うもの

Amazon.co.jp: 山魔の如き嗤うもの (ミステリー・リーグ): 三津田 信三, 村田 修: 本
前作『首無の如き祟るもの』に続く、「刀城言耶」シリーズ4作目。前作は怒濤のどんでん返しの連続で個人的にはとても面白かった。今作もそれは健在だが、やや前作に比べるとパワーダウンかも(とは言え、このアイデアはかなり面白いと感じたが)。それでも本シリーズ特有のミステリ+民俗学な雰囲気はしっかり活きていて、前作同様に満足な一品。
湊かなえ / 告白

著者は本作がデビュー作らしいですね。終業式での女性教師の「告白」から始まり、各章ごとに別の主人公が内情を「告白」していく連作集。複雑な背景や人物相関もなく、淡々と語られていく「告白」が一種異様な雰囲気を作り上げる作品ですね。賛否両論を読んでいるようですが、それだけ注目を集める良作であるとも言えるのかなと。個人的には好きな作品ですね。
森博嗣 / 夏のレプリカ

Amazon.co.jp: 夏のレプリカ―REPLACEABLE SUMMER (講談社文庫): 森 博嗣: 本
今年は森氏のS&Mシリーズを読破しようとプチ目標を心に掲げておりました。で、全10作を読んだ上での1冊として、こちらの『夏のレプリカ』を選ぼうかなと。本作は前作『幻惑と死と使途』と同時期に起こった事件を描いた作品で、一応のシリーズの主人公である犀川&萌絵は『幻惑と死と使途』に出ずっぱりで、実はこの『夏のレプリカ』にはあまり出てこなかったりするんですけど。トリックの鮮やかさももちろん好きですが、なにより読後感がシリーズで一番嫌いでもあり好きでもあり。。忘れられない作品ですね。
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